抗重力筋のトレーニング
当院では、抗重力筋のトレーニングを重視しています
抗重力筋は、地球の重力に逆らって姿勢を維持し、身体を支える重要な筋肉群です。これには、背骨を支える脊柱起立筋や腹筋、下半身の筋肉だけでなく、首周辺の筋肉、特に胸鎖乳突筋や僧帽筋も含まれます。首の筋肉は、頭の重さを支えながら、全身のバランスや安定性を保つ役割を担っており、抗重力筋の一部として極めて重要です。
抗重力筋を適切に鍛えることで、正しい姿勢を維持しやすくなるだけでなく、筋肉の弱化や姿勢不良からくる肩こり、腰痛、膝の痛みといった不調を予防できます。特に、現代人は長時間のデスクワークやスマートフォンの使用により首が前に出る「ストレートネック」や猫背になりがちです。これが、首や背骨に過度な負担をかける要因となり、全身のバランスを崩す原因になります。
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首の筋肉を含む抗重力筋を鍛えることで、頭部の正しい位置を保ち、背骨全体への負担を軽減し、全身の安定性を向上させる効果が期待できます。
また、抗重力筋を鍛えることは、基礎代謝を上げ、エネルギー消費を増やすことで、肥満予防や体力向上にも寄与します。
抗重力筋を鍛えるトレーニングには、背骨を伸ばすエクササイズや首の安定性を高める運動が効果的です。これにより、首と背骨がしっかりとサポートされ、健康で痛みのない生活を維持することができます。
抗重力筋は、重力に対抗して姿勢を保ち、
身体を支えるために働く筋肉群の総称です。
これらの筋肉が協調して働くことで、重力に逆らいながら姿勢を維持し、動きをスムーズにしています。抗重力筋を適切に鍛えることは、姿勢の改善や体幹の安定に重要です。
1. 脊柱周辺の筋肉
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脊柱起立筋:
脊椎を伸ばし、上半身を直立させる -
多裂筋:
脊柱を安定させる深層筋
2. 体幹の筋肉
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腹直筋、腹斜筋、腹横筋:
体幹を支えることで姿勢を維持 -
骨盤底筋群:
骨盤を安定させ、内臓を支える
3. 下肢の筋肉
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大腿四頭筋:
膝を伸ばして立位を支える -
ハムストリングス:
骨盤を安定させ、膝を曲げる動きに関与 -
腓腹筋、ヒラメ筋:
足首を伸ばし、立位や歩行でのバランスを保つ
4. 股関節周辺の筋肉
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大臀筋:
股関節の伸展を行い、立位や歩行を支える -
中臀筋、小臀筋:
骨盤を安定させ、片足立ちの際に重要 -
腸腰筋:
骨盤と大腿をつなぎ、姿勢を支える
5. 首や肩の筋肉
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胸鎖乳突筋、僧帽筋、肩甲挙筋:
頭部や肩を支える -
頸部伸筋群:
首を直立に保つ
抗重力筋の種類と働き
筋肉をバランスよく鍛えることで、重力に逆らいながら正しい姿勢やバランスを維持し、動作を安定させることができます。
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脊柱起立筋(背中)
背骨を支え、体幹を伸ばして正しい姿勢を保つ。屈む動作からの復帰や体幹の安定に寄与。 -
腹直筋・腹斜筋群(腹部)
背骨を安定させ、姿勢をサポートする。前後のバランスを保つ役割がある。 -
大殿筋(臀部)
骨盤を安定させ、体幹と下肢をつなぐ。立位姿勢や歩行動作を支える重要な役割を持つ。 -
大腿四頭筋(太ももの前面)
膝関節を伸ばし、立つ、歩く、階段を上るなどの動作をサポートする。 -
ハムストリングス(太ももの後面)
股関節を伸ばし、膝を曲げる動作を支える。前後のバランスを保ちながら歩行を安定させる。 -
腓腹筋・ヒラメ筋(ふくらはぎ)
足首を伸ばしてつま先立ちを可能にし、立位や歩行の安定に貢献する。 -
胸鎖乳突筋(首)
頭を支え、前後左右の動きを補助。頭部の位置を正しく保つことで重力の負担を軽減する。 -
僧帽筋(首・背中の上部)
頭と肩甲骨を支え、姿勢を安定させる。肩や首の動きを補助し、頭部を持ち上げる役割も果たす。 -
骨盤底筋群(骨盤の底部)
骨盤内臓器を支え、姿勢を安定させるとともに、腹圧の調整を行い抗重力姿勢を保つ。 -
大腰筋(腰椎から骨盤・太もも)
股関節を曲げ、骨盤を安定させる。体幹と下肢をつなぐ重要な筋肉で、立ち上がりや歩行を支える。
