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骨盤矯正と背骨矯正

背骨矯正や骨盤矯正(カイロプラクティックや整体における脊椎・骨盤調整)は、一部の人には効果があるように感じられるものの、科学的エビデンスに基づく医療界では懐疑的に見られています。以下に、その理由を説明します。

1. 背骨や骨盤のズレ(サブラクセーション)は科学的に証明されていない

カイロプラクティックでは、「サブラクセーション(骨のズレ)」が健康問題の原因とされ、それを矯正することで症状が改善すると主張されます。しかし、これを裏付ける科学的証拠はありません。

  • 2015年の体系的レビューでは、「脊椎のサブラクセーションが疾患の主要な原因であるという考えは、科学的な根拠に欠ける」と結論づけられています(Mirtz et al., 2009)。

  • 研究によると、X線やMRIで確認しても、臨床的に意味のある「ズレ」は見つからず、健康問題との明確な因果関係は示されていません(Gouveia et al., 2009)。

2. 効果のエビデンスが乏しい

背骨や骨盤矯正の効果については、多くの研究が行われていますが、強固なエビデンスはほとんどありません。

  • 腰痛への効果は一部の研究で示唆されていますが、それは他の治療(運動療法、理学療法、薬物療法)と同等またはそれ以下であり、特に優れているわけではありません(Rubinstein et al., 2019)。

  • 慢性的な痛みや体調改善に対する効果については、プラセボ効果の影響が大きいと考えられています(Ernst, 2008)。

3. 危険性がある

カイロプラクティックや整体による矯正は、特に首や腰への施術でリスクを伴います。

  • 頸椎の矯正は、**脳卒中(椎骨動脈解離)**のリスクを高める可能性があることが指摘されています(Cassidy et al., 2008)。

  • 無理な矯正により、椎間板ヘルニアの悪化や神経損傷の可能性があるとも報告されています(Stevinson & Ernst, 2002)。

4. 姿勢や骨の「歪み」は自然な個体差である

人間の骨格には個体差があり、「完璧な姿勢」や「正しい骨の位置」は存在しません。多くの人が「歪み」と思っているものは、生理的な変化の範囲内です。

  • 研究では、姿勢の違いが痛みの有無と直接的な関連がないことが示されています(Lederman, 2010)。

  • 骨盤の「ズレ」はミリ単位の変化であり、機能的に問題になることはほとんどないとされています(Levangie & Norkin, 2011)。

結論:効果の根拠は乏しく、リスクがあるため注意が必要

背骨矯正や骨盤矯正は、科学的にその有効性が証明されておらず、場合によっては危険を伴います。特に「ズレを直せば健康になる」といった主張には根拠がないため、エビデンスに基づいた医療(運動療法、適切な医療処置)を優先するべきです。


 
 
 

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